「……ホンット、ウチの妹やってくれるわー」
「え……」
「ホント、ミヤコの影響が大きすぎるんだよ」
「……なにそれ…」
「お前が一番、ノアをノアとして見てたんだろうな」
「…………」
「ノアの記憶データ」泉は目を細めた。「ほとんど、ミヤコなんだ」
あたしは崩れ落ちそうになった。
いろんな感情が一気にこみあげてきた。
なんだそれ。
あたしばっかりってなんだ。
たしかにあたしはいろいろ、言ったかもしれないけど。
でも長時間一緒に居たのは春人の方でしょうが。
なんでそんな……あたしばっか記憶してんのお前。
ホントにもう。
バカなの。
「バカでしょ……」
笑ってやった。
「そんなんで…動かなくなるなんてお前ホント……」
口元が震えた。泣くまいと努めた。
未来が立ち上がる。
その足で、あたしに歩み寄った。
「……ねえキョウちゃん、もういい加減わかったでしょう。」
わかってる。
「――……ノアクンのこと、好きなんでしょ?」
好きだよ、わかってるよ。
ちくしょう。
大好きだよ。


