という意思を込めて断って行ってたんだけどそういえばこういう人とか通行人とかに「こうこうこういう人を見ませんでしたか」って聞くのもありなのか。
そうだなそれもありだな!
と思ったけどどっちかっていうと写真を見せた方が手っ取り早いじゃん。
と思ったけど写真とかなかった。
詰んだ。
あてもなく歩き回ることほどヒマで無駄なことはない。
寒いし。寒いし。寒いし。
そろそろ耳がちぎれそうかもしれないと思い始めた頃。
ふと通りかかった、見覚えのある公園の前で足を止めた。
公園って言うか、ただ噴水があって、ベンチがあるだけの広い空間なんだけど。
夏によく来ていた場所だ。
もう来る用事もないだろうと思っていたあの場所だ。
枯葉が足元を駆け抜けて行く。
あの時は青々とした葉っぱがたくさんついていた木々も、今じゃ寂しげだ。
季節が移り変わっていくのは、早いなあとか。思ってみたり。
気づけばあたしは、噴水の方へと足を向けていた。
夏の時は、こうして歩いて行くと、見覚えのある人が座っていたんだけど、今はもう、どこにも居ない。
なんていうか……なんだかなあ。
ぼんやりとそんなことを考えながら噴水の、あの人が座っていた場所の前に立って、噴水から落下して流れる水を見下ろしていると。
不意に、視界の端に映った人物の後ろ姿に顔を上げた。
噴水の向こうに、春人が座っている。
いや、よく見ると制服を着ていない。私服だ。
ということは、答えはひとつしかないというヤツで。


