そんなあたしに、手を挙げていたひとりである未来さんが歩み寄ってくる。
「あれ、キョウちゃん遊ばないの?」
「え、あー…遊ぶって話してたんだっけ。」
「うんうん。遊ぶでしょ?」
みんながあたしの方を見ている。
あたしはどう答えようか迷った。
もちろんみんなと遊びたい。
クラスの連中と遊ぶのはそりゃもう楽しいし。
だけど今日のあたしは、どうしようかと迷ってしまった。
――『金曜日の夕方に行くから』
泉の言葉が蘇る。
今、あたしの足かせになっている言葉だ。
今日はその金曜日で、今から帰ればあたしも一緒に、行くことになる。
迷ってしまうなんて、あたしらしくない。
「……あ、そっか!そういえば今日、キョウちゃん用事あるって言ってたっけ!」
不意に未来さんが手を叩き、思い出したように大声を上げた。
あたしは「は?」と思わず顔を上げていた。
未来さんは「そうだったそうだった」とうなずき、僅かに、あたしに目くばせをした。
あぁ、結局、判断を未来に任せてしまった。
手を下ろして成り行きを見守っていた(?)みんなは、未来さんの言葉に「えぇー!?」と不満たっぷりに叫ぶ。
あたしに用事があるってだけでそんなに不満なのか。そうなのか。


