あたしは手すりを二度叩く。
鈍い音が無駄に反響した。ちょっと注目された。こっち見んなし。
「…そんなの知ってどうすんのさ」
「あらー、知りたくないのかしらー」
「興味ありません。」
「いいのかなーもしかしたらクラスではめちゃくちゃ笑顔だったりしてー春人クンー」
「…………。」
「キョウちゃんにだけあの態度だったりしてー」
「…………。」
「でもしょうがないなー興味ないならあたしだけでも確認してこようかなー」
「…………。」
「キョウちゃんは興味ないんだもんねー」
「…………。」
「…………。」
「……HRが始まりますので。」
「あらーそうねー、だけどねキョウちゃーん」
「なによ」
「階段上ろうとしてますわよ?」
現在3階。この上、4階最上階。最上階は、1年エリア。
脱力した。
膝から崩れ落ちたあたしに未来がにまにまぷくくと含み笑い。
「キョウちゃんったら、ホントわかりやすいんだからー」
「別にちょっと行こうかなとか思ってなかったけどね!」
「気持ちとは裏腹にカラダは春人クンを求めているのねクスクスOK一緒に行こうじゃないか最上階!」
もう殺意しか芽生えない。


