あたしが黙り込むと、つられたように、お父さんもお母さんも黙ってしまった。
気まずい雰囲気を作ってしまって、酷く申し訳なくなる。
いたたまれずにあたしが席を立とうとすると、いきなり隣から。
「んじゃーミヤコはまた別の機会にするってことで」
あたしが思わず隣を見ると、そこに座る泉は至って普通の表情で、僅かにお茶の残るコップを眺めていた。
その視線が、次はあたしをとらえる。
「……それならいい?」泉の口調はいつも通りだ。
あたしはちょっと困惑しながらも、とりあえず首を縦に振っておいた。
「オーケー。じゃー俺等は金曜日の夕方くらいに行ってくるからー」
「……う、うん。了解。」
なんでわざわざ行く日を言うんだと思ったけど。
けれどそれでお父さんもお母さんも納得したのか、「そうねーそうしましょー」と弾んだ声でうなずいていたのでこれでよかったと思い直す。
認めたくはないけど、今は泉に感謝する。
あたしは「ごちそうさま」と手を合わせ、空になった自分の食器を重ねてキッチンに持っていく。
それからリビングを出て自室に戻った。
バタン、と後ろ手にドアを閉めて寄り掛かる。
――『母さんの墓参りに行こうと思うんだ』
お父さんの言葉が脳内をリピート。
あたしは頭を思い切り振った。何度も振った。
余計なことは考えまいと、部屋の電気をつけて机に向かった。
今日は勉強する。
もくもくと、数字と向き合う時間にするのだ。


