「……そういえば」
あたしが頑張ってご飯を口に放り込んでいると、前に座っているお父さんが思い出したように。
「……今度、みんなで母さんの…お墓詣りに行こうと思うんだ」
ピタリ、と。
あたしのお箸だけが、止まった。
泉が一瞬、あたしの方を見やる。
何事もなかったようにご飯を口に運んで見せた。
「アンドロイドと入れ替わって亡くなった人は、みんな研究所の人がちゃんとしてくれているみたいだからなあ」
「まあねー当然のことだと思うけど」
「あら、それ私が行っても大丈夫かしら」
「普通に入れ替わった側も来てくれてるしー」
あたしはご飯を口に運ぶ。
ろくに噛まずに飲み込んだ。
「……それさ、未来も行った?」あたしが尋ねると、泉は頬杖をついてこちらを横目にうなずいた。
「来たよー夏頃にね。弥生も一緒に」
「……そうなんだ。」
未来さんも行ったのか。
そっか、行ったのか。知らなかった。
あたしはお茶を喉に流し込む。
それからまたコップを置いて、お皿からおかずを挟んで持ち上げた。
口に放り込んで、5回くらい噛んだら飲み込む。
もはや作業だ。


