充電終わったらキスしよう





「おかえりなさーい」とお母さんがキッチンから返事をする。

あたしは一体どれくらいぼけっとしていたのかよくわからない。

とりあえず着替えては居た。

あたしの隣には泉が座っていて、足を組んでテレビを見ていた。

「最近面白い番組なくて困るわー」とか言っている。じゃあお前が作ってしまえよ。

リビングに入ってきたお父さんは、あたし等が全員リビングに居ることを確認すると、「久々に家族全員集まったなー」とうれしそうだった。


家族全員。

そうだね、全員だ。



「お父さんも帰ってきたからご飯食べましょー」と言うお母さんの掛け声で、全員がテーブルにつく。

あたしはなんだか、おなかがすかなかった。

久しぶりに家族みんなで揃って、食卓囲んでるっていうのに。

あたしは全然、ご飯を食べる気にならなかった。


「……どーしたミヤコ。気分悪い?」


あたしの隣に座って箸を進めていた泉が、あたしの顔を軽く覗き込むようにして尋ねる。

気分が悪いわけではない。

なのにご飯が進まない。


「……いや別に。っていうかお前があたしの心配をもろにしてくるとかそっちの方が気色悪くて吐血できる。」

「ミヤコホントひどいわーお兄ちゃん傷つくわー」

「うざいキモイ失せろ。」


クソ兄貴を罵倒するお馴染みの三段活用を言い放ってから、あたしはお箸をおかずにつけた。

食べる気はしないけど、少しでも食べてなければみんな心配する。


あたしは平気だってとこを見せてなきゃ、ダメだ。