結局、勉強会だったはずが、あたしが秘密にしていたことをすべて打ち明ける会みたいになってしまって、みんな勉強に気が入らなくなったので早々にお開きになった。
特に春人に関してはもはや勉強などなかったというような雰囲気でずっと涙ぐんでいる。
延々と泣きながら鼻をすすられていてはこちとら勉強なんぞできるはずもないので、致し方あるまい。
未来さんも未来さんで「……はあー…あたし、バカだなあ…」とか明後日の方向かどこかを遠い目で見つめながらぼそぼそ喋っているので恐ろしくなったあたしが追い出す羽目になった。
先に帰ることになった未来さんを見送って部屋に戻ると、えぐえぐ泣いている春人を横目にノアが後片付けをしていた。
「…お前ホントそういうところだけは律儀と言うかなんというか。」
「片付けくらい普通でしょ。」
「やー…まあありがたいけどあたしがするから気にしなくていいのよ。」
言いながら、あたしは立ったままテーブルの上の空いたコップを手に取る。
視界の端に映った春人がゴシゴシと目を擦っていたので、思わずコップを置いてその手を掴んで目から離した。
「ちょっと目擦ったら腫れるからやめな。」
「……すみません…」
「っていうか、いつまでも泣いてないで、」
「涙が出てくるんです……」
あたしの言葉を遮って、春人は視線をテーブルの上に合わせたままで言う。
「……俺だって別に…泣きたいわけじゃないんです…」
「じゃあ泣き止んで。あたしよりあんたが泣いててどうすんの。」
「キョウちゃん先輩が泣かないから、代わりに泣いてるんだって思っててください」
春人にしては、ぶっきらぼうな言い方だった。


