充電終わったらキスしよう





見覚えのある色素のうっすい髪の毛が、教室の入り口付近に立っている。

教室の中からクラスメイトのひとりが出てきて(女子だった)、その華奢な人物と何やら話をしている。

かと思えば、クラスメイトがパッと顔を上げ、バッチリあたしと視線をかち合わせた。

そのまま指を指されたかと思うと、今度はそのちっこい人物がババッ!とこちらを振り向いた。


「キョウちゃん先輩っ!」


こちらもお久しぶりのご登場、春人さんです。

まあ久しぶりとか言ってもノアには会ってたからあんまり久しぶりって感じがしないよね。

同じ顔だもんね。

目つきはまったく違うけど。


「よかった~元気になったんですね!」


春人は上履きのスリッパを鳴らしてあたしに駆け寄ってきた。

あたしは安堵の表情を浮かべている春人を若干見上げる。

ホントあたし背が伸びてるんだなと実感するのはこの時だ。

だってもう春人と数センチくらいしか身長差ないんだぜ……あたし160なっちゃったんだぜ……哀愁。

まぶたを押さえていると、春人が慌てたようにあたしの顔を覗き込んできた。


「え!?もしかしてまだ体調悪いんじゃないですか!?」

「いや……体調っていうより…身長がね……。」

「身長!?身長がどうかしたんですか!?もしかしてもう縮んでるんですか!?グルコサミンが足りてないんですか!?」

「なんかもうどこからツッコんでいいのかわからない。」


どうやら春人はあたしの母上のことを知らないようだ。

つまりノアは、話してないと。


でも話してくれてなくてよかった。話してたらたぶん、未来さんより大変なことになっていたに違いない。