未来さんはやっぱりこうでなくては。
逆にあたしの調子が狂う。
「ちょっと何笑ってんのよ。わかったかっつてんだろおいコラキョウコテメェ。」
「すんませんわかりましたありがとうございます。」
「……っていうか、真面目に。なんかあったら言ってよね」
「……うん。ありがとうございます。」
ペコリと頭を下げてみせると、未来さんがバシッと頭を叩いてきたので解せぬ。
「うわちょっとやめてよねキモイ!キョウちゃんが素直に感謝してくるとかなにそれキモイ!吐血しそう!」
「ガラスのハートがパリンした。」
「自分でガラスのハートとか言ってりゃ世話ないわ」
ごもっともです。
「……っていうか」未来さんは息をついてから。「もう大丈夫なの?」
「何が?」とあたしは返す。
未来さんはムッとしたようにこちらを睨んだ。
「だからお母さんのことよ!だってやっぱり…ショックじゃん…」
「まあ、そうだけど。」
「じゃあ…」
「いやでも一番泣いてるのアナタですからね未来さん。」
「なんですって!?」
「だってあたし泣いてないもん。」
「……アンタ…」
さすがの未来さんでもこれは引くか。
と思ったけど、しょうがない。だって事実だ。
唖然としている未来に向かって、あたしは軽く、
「全然平気だからホント。ありがとね。」
それだけ言って、階段を下りた。


