あーいやでも、弥生さんが悪いわけじゃない。
たぶん弥生さんのことだから、あえて未来に話して、あたしを支えてくれるようにと思ったんだろう。
それはとてもありがたい。
そうやって思ってくれたのだとしたら、とても感謝したい。
……でもあたしは。
「……今ねえ、キョウちゃんが何考えてるかあたしには手に取るようにわかるわよ」
いつの間にやら涙を拭いていた未来さんが、不意にそんなことを口にした。
あたしは顔を上げた。
未来は嗚咽こそまだ出ているものの、もう涙は拭き取ってしまっていた。
「どうせキョウちゃんのことだから、あたしに言わないで隠しておくつもりだったんでしょ」
「…………。お前は超能力者か。」
「違うわよ。でもわかるっつーのよ」
「えあたしもしかして顔に出てた?念願の“お前顔に出てるよ”シーン?」
「違ぇーわよ!アンタ自分の顔鏡でじっくり見てみなさいよ!まったく感情出てないから!むしろ怖いくらいにポーカーフェイスだから!」
「グサグサ来る。グサグサ来るよ未来さん。やめてあげて。」
「それでもねえ、あたしにはわかるの!」
未来さんは腕組みをして、ふんっと鼻を鳴らした。
さっきまで泣いてたのはどこの誰だろうと。
「……あたしだってねえ、あの時救われたんだから」
腕組みをしたまま、未来さんは眉根をひそめてそう言った。
あの時っていうのは、たぶん、弥生さんの時のこと。
それにしても眉根をひそめて感謝されるあたしって一体。
なんて思うけど、
「だから今度は、あたしが!恩返ししたいのよ!わかった!?」
と、恩返しする相手に向かって怒りマークを投げつけてくる未来さんに、あたしは思わず笑ってしまった。


