充電終わったらキスしよう






未来さんに引っ張られつつ廊下を歩く。

すれ違う生徒があたしを見つけて「あーキョウちゃんだー!」とか「元気なったんー?」とか聞いてきてくれるので、引っ張られながらもあたしは「うんうん元気になったよありがとう。」と返していく。

どこぞのアイドルにでもなった気分である。

まったく休んだことのない人が数日休むだけで、周りはこんなにも心配してくれるということか。

ありがたい。

キョウちゃん今視界がセルフエコノミーですよ。ぐすん。


しかしながら現在あたしを引っ張ってつかつか歩いているこの目の前の浜田さんはまったくもって心配する様子を見せない。

いや未来さんだし。

心配してようがしていまいが態度にはそう出さないような気がするし。

っていうか逆にすごい心配されてもちょっと何があったのって割と本気で尋ねてしまう程度には気持ち悪いかもしれないからいいけど。

いいけど。

……でもやっぱりちょっと様子おかしいよね。



「……キョウちゃん」


思考回路が通常運転をしていたあたしは、未来さんの声に現実世界へと戻ってくる。

辺りが静かなので無意識に見渡す。

階段の踊り場のようだ。

しかも屋上手前の立ち入り禁止区域である。


「……えーっと、はい?」


とりあえず名前を呼ばれたので返事をしておく。

直後、未来さんはぐるんと勢いよく振り返った。


その顔を見て、あたしはパチクリと瞬きをしてしまった。