下唇を噛んで、うつむく。
自分のひざに、ひたいを押し付けた。
……あぁ、そうか。そういうことか。
なんだ、そういうことだったんだ。
泉の手が、あたしの頭をゆっくりと撫でた。
涙腺が緩みそうだから、やめてほしかったけど。
心地よくて、何も言わないでおいた。
「……ホントさ、うちの母さんは親バカすぎる」
「…………っ」
「だからアンドロイドを作ったんだよ」
「…………っ」
「“あの子たちを置いて、先に逝けない”」
「…………っ」
「母さんがすげぇそう言うモンだから、医者も渋々って感じで、アンドロイドのことを話したんだってさ」
「…………っ」
「笑い話みたいな母さんだよな」
「…………っ」
「……でもそれが」
泉は少し、間を開けた。
あたしがちゃんと、聞き取れるようにと。
「……――それが、俺等の母親なんだよな」
あたしは笑った。
上手く笑えなかったけれど。


