「ミヤコが学校に行ってる間に、病院に行って検査してたらしい」
「…………。」
「末期だった」
「…………。」
「もうだいぶ前から、痛いのを我慢してたみたいで」
「…………。」
「助かる確率はゼロに近かった」
「…………。」
「それを母さんは、真っ先に、俺に知らせてきた」
「…………。」
「それがどうしてか、お前ならもうわかるよな」
あたしはわかりたくないと思った。
途端に情報を整理しようとする脳内をどうにか止めようと、必死に自分を否定した。
けれどあたしの頭は勝手に、
「……母さんは、俺がなんの研究をしてるか、知ってたんだ」
……理解してしまう。
「……なんで」あたしは声を振り絞った。「なんでお母さんは知ってたの…」
「……病院が教えたらしい。アンドロイドのことを」
「な、んでそんな……」
「知ってるだろ、アンドロイドを製作しないかっつー手紙が国から来ること」
春の頃、初めて聞いたアンドロイドの話を思い出した。
そういえばみんな、国からの手紙をもらっていた。
「本当は例外なんだよ。国から以外、アンドロイドの製作は薦めない」
「じゃあ…じゃあなんで……」
もはや懇願のような声色で、あたしは“なんで”を繰り返していた。


