充電終わったらキスしよう






*****




お母さんは穏やかな表情で眠っていた。

ピッ、ピッ、と心電図の音が聞こえる。

けれどそれは心電図と言うより、アンドロイドの機能が正しく動いているかを測定するような機械の音。

お母さんの体のあちこちから伸びているのは、チューブではなく、コードだ。

あたしはそのコードを見つめ、それを辿るようにして、お母さんの顔を見下ろした。


「……目、覚めないね。」


ぼそりとつぶやいたあたしの言葉に、機械を操作していた泉は、手を止めてお母さんを見やった。


「完全に電池が切れたからな。もう少しかかる」


お母さんはノアが言っていた通り、旧式のアンドロイドだった。

あたしはお母さんの手を取って、握る。

さっきよりか幾分、あたたかくなってきたように感じて、ホッとした。

それでもまだ、人にしては低い温度だった。

やっぱり、人じゃないんだなと、とっくにわかってはいたけれど、考えてしまう。


「……泉」


あたしはお母さんの手をそっと元の位置に戻し、空いたその手を握り締めた。


「……お母さん、いつから、アンドロイドなの…?」


泉は機械から離れ、白衣のポケットに手を入れてから、あたしを見下ろした。


「……もう充電は終わったし、ミヤコにも教えなきゃだな」


言いながら、泉は右手を出して手招きする。

あたしはそれに素直に従って、泉の後を追い、部屋を出た。