とにかく、現在の問題はゲシュタルト崩壊しそうだなんだの話ではなく、春人が完璧におかしくなったという話なのだ。
春人があたしに上着を返してくれたのは昨日。
その翌日が今日。
つまり昨日からずっとあの調子なのだ。
あたしに向かって笑いもしない、“あの調子”。
アタシにはもう、キミがわからないよ春人……
とかスイーツ(笑)言わねぇけど。
っつーかアレだよねあたしが春人のことわかんなくなろうがなりまいがスイーツ(笑)な展開になるわけがないっていうね。
残念ながら、あたしの辞書に“乙女”という文字はないわけでってそれはそれで涙目だなおい。
「…あら、喧嘩?」
せめて“女子”という文字はあるよなと自分の辞書を捲りまくっていたら、背後からそれはもう愉快そうな声が聞こえてきた。
振り返らなくてもヤツがどんな顔をしているかくらい読み取れるけど、一応振り返っておく。
朝からそんな(イラッ☆とする)顔見てもテンション下がるだけだがな。
まああたしのテンションごときが下がろうが下がりまいが背後の輩には関係ないんでしょうが。
いやむしろあたしのテンションが下がったかどうかなんて考えもしてないんだろうけどね。