どうやって充電したらいいんだろう。

あたしは冷たくなったお母さんの手を握りながら考えた。

背中が開いたら、もしかすると充電できるかもしれないと思って、お母さんの背中を押してみたけど、なんの変化もなかった。

だとすると、太陽光とか、そういう類の充電方法なのかもしれない。

どちらにしても、今のあたしには何も出来ないということか。


「……お母さん」


呼ぶ。

今の今まで動いていた、お母さんの顔を見下ろした。

目を閉じ、口も閉じたその表情は、まるで人形のようなのに。

紛れもなく、お母さんなのだ。


「……お母さん」


もう一度呼ぶ。

返事が来ないということは、とっくの昔にわかりきっているのに呼んでしまう。

「冗談でした!」って、もしかしたら笑いながら起き上がってくれるんじゃないかと思って、呼んでしまう。

あたしが今握っているこの手の、機械のような冷たさが、嘘じゃないことを教えてくれているのに。


「……どうしたらいいの」


途方に暮れた。

充電方法がわからない。

本当のお母さんがどこに居るのかもわからない。

もう何もわからない。

誰か助けて欲しい。

こんなに助けて欲しいと思ったことは、なかった。