っつーかその前にあたしの名前の訂正はどうなってんのよちょっと。
キョウちゃんじゃねーわよ京よ、ミヤコ。
いや別にキョウちゃんって呼んでも問題ないっちゃないんだけどさ。
もはや「キョウちゃん」とかいうあだ名が定着しつつあるけどね最近。
担任にまで「朝倉(あさくら)キョウは今日居るかー?」とかって大して面白くもないギャグ使うために呼ばれるくらいだしね。
寒いだけだっつーのね。
いやみんな笑ってるけどね。
でもほらあたしに失礼だとかそういうのはねぇのかおい担任ちょっと表出ろ。
……という気持ちになりますええとても。
と、あたしが内心とてもイライラしていたところ。
「……ねえ、キョウちゃん」
隣で双眼鏡を構えていた未来が、窓枠に頬杖をついていたあたしの肩を叩いた。
あたしはそっぽを向いたまま「なあに未来さんあたし今イケメンどころじゃないの」と生返事をする。
けれど、未来は「違うっつーのおいこら人の話聞けよキョウコ」とかってどこぞの不良だよって感じのノリであたしの肩を思いっきり掴んできた。
ちょっといやかなり痛いんだけど未来さんアナタなんて馬鹿力なのっつーかあたしキョウコじゃねぇよ。


