言いながら、お母さんはあたしのベッドに頬杖をついた。
それからあたしを見上げた顔は、ニヤニヤ笑顔ではなくなっていた。
ニヤニヤ、ではなく、微笑み。
母親の優しい、微笑み。
「……京も、成長したのね」
息を吐くように言われたその言葉が、何故だかすごく、来た。
グッと来た。
成長っていうのには、目に見えるものと、見えないものがある。
あたしはよく「背が伸びたね」と言われる。
もう160センチくらいにはなっているだろうあたしの背。
それは目に見える成長だ。
けれど今、お母さんがあたしに向けて言った“成長したね”の言葉は、目に見えない成長だった。
目に見えないものを褒められることは滅多になくて、だからだろうか。
柄にもなく、うれしい。
「……まあ、あたしも17ですし。」
心の中ではうれしいと思っているのだけれど、たぶんそれは顔にも、口調にも出ていないんだと思う。
あたしは自分のそういうところを嫌いだと思ったことはないけど、でもたまには、感情が素直に相手へと伝わるようになったらいいなあとは、思うね。
ごくまれにある、こういう時に。


