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ふと目を覚ますと、傍に誰かの人影があった。
なにやつ。
「あら、起きちゃった」
部屋が薄暗かったので、寝起きの目では上手いこと人影を捉えられなかったのだがしかし、その声で人影が母上であることを確認した。
ベッド脇にしゃがみこんで、あたしの顔をじーっと眺めていたようだ。
やめてくれ。
あたしのその気持ちが伝わったのか否か、母上は愉快そうに笑う。
「京の寝顔ゆっくり見るのって久しぶりだなあって思ったら、ついね」
うふふ、と口元に手を当ててにんまり笑う母上に若干うちの兄貴を思い出す。
ちょっとこう、なんていうかこう、嫌味っぽいっていうか、とにかく似てる気がする。
どうやらあのクソ兄貴は母上の血を濃く受け継いでいるらしい。
なるほど、わからん。
あたしは布団にずりずりとずり込みつつ、目をこする。
「……娘の寝顔を見て何が楽しいのか。」
「あらー楽しいわよー?京ちゃんは可愛いわねえって」
「親バカか。や め て く れ 。」
「親になった特権よー親バカ楽しまなきゃ損じゃなあい?」
「いやあたしもう高2ですし。」
「高2だろうがなんだろうが、あんたはお母さんの子なんだから問題ないじゃない」
いやだからそういう意味じゃnもういいです。


