充電終わったらキスしよう





とか考えてしまうあたしの思考回路も絶賛混乱中なのかもしれない。

これまた自覚が足りてないけどね。


「…当たってる。38度あるよ。」


さっきの話をうまくはぐらかされたような気がしたけど、結局あたしもそう答えてしまうわけで。

ノアは右手を軽く握って、開く。


「38度あるなら、寝といた方がいいよ。悪化する。」

「そうする。」

「じゃ、ハルには“なんとか生きてる”って伝えとく。」

「それ逆に春人が焦りそうだからやめてあげて。」

「わかってる。冗談。」


お前の冗談は心底わかりづれーよと思いながら、あたしに背を向けようとしたノアに「そういえば」と声をかける。


「そういえば、ノア大丈夫か。」


ノアがもう一度こちらを向く。


「なにが。」

「充電。手、冷たかったから。」

「あー…」ノアは自分の右手を見下ろした。「……冬だから。」

「そうか。じゃあ充電しなくてオーケー?」

「うん。出てくる前、充電したから。」


じゃ、お大事に。

ノアはそれだけ言い残して、部屋を出て行った。


あたしはしばらく閉まったドアを見つめて、あくびをする。

久しぶりに長時間起き上がって居たら疲れたので、よし寝ようと布団にもぐりこんだ。

額にはまだ、ノアの右手の、機械のような冷たさが残っていた。