「……うん。」微かに聞こえた。「別に大丈夫だけど。」
聞き間違いかと思ったのでもう一回聞いてみる。
「…えーっと、それは春人がとかじゃなく?」
思わず見上げたら、ノアもあたしを見下ろしていた。
視線のぶつかる音が聞こえたような……気がした。
「……それ、ハルじゃないとダメみたいな意味?」
「いや別にそういう意味ではなく。」
「ハルも心配してたけど。」
「あー…うん。」
「俺も心配してるみたい。」
心配してるみたいってなんぞ。
今若干日本語がおかしかったように思えたんだが気のせいか。気の迷いか。気のせいと気の迷いは違うか。
聞こう。
「心配してる“みたい”ってなんだい。他人事みたいに。他人事かもしれないけどな。」
ノアはあたしから視線を逸らす。
どこ見てるの何見てるの。あたしの部屋には別になんもいいもんないぞ。粗探しならご遠慮ください。まったく片付けてないから。
「……“みたい”なんだよね。」
ノアがボソッとつぶやいた。


