充電終わったらキスしよう





「じゃあ、ノアはこれから帰ってあたしの風邪状況を事細かに春人へと伝える義務があるわけだ。」

「イヤな義務だよね。」

「だったら来んなし。」


言いながら枕をぶん投げようと思ったけど、思うように体が動いてくれなかったので結局何もできず仕舞いだった。

あたしとしたことが。

それをノアも気づいていたのか、しばらくしてからこちらへと顔を向け、あたしを視線だけで見上げた。


「……ホントはまだ辛いんじゃないの。」

「自覚はなかったがどうやらそうらしい。」


素直に答えてやったのに、ノアのヤツはあたしの言葉に小さくため息をついた。

解せぬ。


「……あんたってさ」ノアは呆れたような口調で言う。「人のことはわかるのに、自分のことってわかんないんだ。」


そういうこともないと思いたいけどそうなんだろうか。

っていうかただ単に普段風邪引かないからちょっと今混乱してるだけかもしれないじゃないか。

あとあたしは別に人のことをすべてわかっているつもりはないんだが。

でもノアには、違うように見えているらしい。


「…例えばさ」ノアは言う。「ハルが風邪引いてる時、あんたはなんて言う?」

「なんて言う?って言われても。」

「風邪引いてるのに起き上がったら。」

「寝とけって言う。」


風邪が悪化したらいけないと思って心配だから。

あ。