充電終わったらキスしよう





というあたしの“プークスクス”具合が顔に出ていたわけではないだろうが、ノアから若干睨まれているような気がしたので落ち着け自分。

あたしは髪の毛を右手で梳かし(つつ搔き)ながら、左手をついて起き上がる。

2日間まともに風呂すら入ってないから今のあたしにはあまり近づかない方がいい。

髪の毛もボサボサですし超部屋着ですがまあ所詮相手はノアなので気にしない。

っていうか相手が誰だろうとだいたい気にしない。

少女漫画とかに居そうなどこぞの金持ち財閥御曹司のイケメンが突然うちにやってこようがあたしはだいたい通常運行だ。だいたい興味ない。

という意見には昔未来さんも賛同していたので間違いないと思う。

そんなわけで今日も今日とて通常運行なミヤコさんです。ありがとうございます、ありがとうございます。


「もう起き上がって大丈夫なの、ミャーコ。」


あたしがベッドの上であぐらをかいて座るのを見て、ノアが抑揚のない声色で尋ねてくる。

コイツ絶対心配してない。


「あーうんもう全然。熱は38度あるけど昨日より楽だし。」

「38度くらいあると人間って辛いんじゃないの。」

「まあね。あたしは起き上がれるけどね。」

「あっそう。」


興味なさげに言うと、ノアはベッド脇まで歩いてきて、床に座った。

あたしはその後ろ頭を眺めながら口を開く。


「あんま近づくとインフルうつるよ。」


ノアは上目遣いにあたしを見上げた。


「だから、俺はうつんないって、何回言わせる気?」


何回でも言わせてしまうだろうね、とあたしは思う。