充電終わったらキスしよう





誰だろうと思いつつ布団から顔を出すと、母上が新しいポカリを持って部屋に入ってくるところだった。


「はいこれ。置いとくからね」

「あざます。」


お母さんはあたしの手が届きそうな場所にポカリを置く。

それから「あとね」と口を開いた。


「あとね、今玄関に春人くん来てるんだけど…」

「帰らせろ。一刻も早く。」(※即答)

「お母さんもそうした方がいいかなーって思ったんだけどねぇ」


噂をすればなんとやらだ。

2日もあたしが居ないとなるとさすがの春人も気づくだろうなーとは思ってたけど早々に気付きやがった。

そういうところだけは勘がいいというか。

もっと他のところにその勘の鋭さを使えばいいと思うよ。切実に。

そうだね例えばまず自分がどんだけド天然かということに気付くところから始めてみたらどうかな。

まあそれは置いといて。


「そうした方がいいかなーじゃなくてヤツは帰った方がいい。有無を言わさずに帰した方がいい。」

「でもホラ、せっかく来てくれたんだからちょっと顔見せるだけでもいいじゃない?」

「うつる。インフルうつるから。」

「あら、春人くん“予防接種してきたから大丈夫”って言ってたわよ?」


おっと違和感。

ここぞとばかりにすごい違和感。