あたしがそう言うと、未来さんは『あーね』と納得したようだ。

この間、と言ってもちょっと前になるんだけど、うちの学校で文化祭がありまして。

文化祭は他校だったり家族だったり地域の人だったりがうちの学校に出入りできる唯一の行事なのだ。

その日あたしはそう言えば小さい女の子とか元気有り余る少年だったりを学校と言う名の迷宮(ただの迷子)から幾度となく救っていたので、たぶんそれでインフルエンザのウイルスさんをお礼としていただいてしまったんじゃないだろうかっていらねーよそんなお礼。

まあ簡単に言って、あたしの隠れ世話焼き性格が引き起こした残念な結果だったわけだ。


『んでもさー、キョウちゃんでしょ?あなたあのキョウちゃんでしょ?』

「お前が言う“あのキョウちゃん”というのがどのキョウちゃんなのか不明だがあたしはこのキョウちゃんだ。」

『じゃあインフルかからない気しかしないんだけどあたし』

「お前はあたしをなんだと思っている。」

『だってキョウちゃん風邪引かないじゃん?体調不良滅多に起こさないじゃん?』

「まあそうだけど。」

『じゃ、なんで今回はかかったのかしらね』

「あー…アレじゃね、文化祭の準備とか。バタバタしてロクに休んでなかったし。」

『なるほどね。まあキョウちゃんも人間だものね。インフルくらいかからなきゃ人間を超越した何かにしか思えないものね』

「あ゛?」

『それじゃお大事に☆』


そこで通話は切れた。


未来さんとそんな通話をしたのが2日前になるので、あたしはもう2日も学校を休んでいることになる。

別に2日学校を休んだからといって勉強に支障が出るわけじゃない(※当社比)からそこは特に気にしてないんだけど、問題がアイツだ。

超がつくド天然の我が後輩だ。