しかしこの期に及んでまだヘタレセール開催中のスーさん。
買わんぞ。そんなモン買わんぞ。
「…え、いや、それはわかるんやけど、なんで今…!?」
「今じゃないとダメだからです。」
「…………っ」
「今じゃないとスーさん、絶対後悔すると思うんですよあたしは。」
「……朝倉?」
「だからさっさと行ってください。そんで自分の気持ちと指輪を渡してあげてください。後片付けはあたしがやります、スーさんがやるより速いんで任せてください。」
「なに?指輪?」「なにどういうこと!?」みんなが騒ぎ始める。
あたしはもう一度言う。
「さっさと立って行けっつーの!!」
夕方が近い。
藍さんが居るか、もうわからない。
でも、とにかく行け。
あたしは気持ちが顔に出る方ではない。
けれどスーさんは、あたしの目をじっと見つめた。
何があったのか、知りたかったのかもしれない。
結局それがわかったのか、どうなのか。
スーさんはゆっくりと立ち上がった。
「……わかった、行ってくる」
いつもと打って変わっての真剣な声色で、スーさんはそう宣言した。
みんなたぶんわけがわかってなかっただろうけど、「おーがんばれー!」とか声援を送っている。
良いヤツ等だ。


