充電終わったらキスしよう





あたしは迷わず教壇へと向かった。

昨日本を徹夜で読んでいたと、今日の補習の最初に言っていたスーさんは教卓で寝そうだった。

寝てる場合じゃねんだよおい。


「あのっ」


あたしが寝かけているスーさんの耳元で声を上げると、スーさんはビックゥッ!と飛び起きた。

しかもガタガタンッ!とそのまま後ろに倒れてしまってもうなんだコイツめんどくせぇ!

クラスメイトがその音に気が付いて、「なにやってんのー」と笑いだす。

慌てて起き上がるスーさんは、今日も後頭部をさすっている。

そのままヘタレが治ればいいのに。


あたしもお節介が治ればいいのに。


「なっ、なんだ朝倉か…!ビビった…しんけんビビった…」

「そろそろ補習終わりますよね、さっさと終わってくれませんか。」

「はあ!?」

「そんでスーさん、藍さんとこ行ってください。」

「なんッ……!?」


「藍さんって誰だ!」とみんなが興味津々で寄ってくる。

だがしかし今のあたしはスルースキルのプロだ、全部スルーを決め込んだ。


「いい加減なんとかしてください補習の間に寝るとか信じられないんですけどそれでも先生ですかいいんですかクビになってもいいんですか。」

「うっ……!!」


「そうだぞセンセー!」とかみんなが野次を飛ばす。


ホントの事情が言えないから、思いつく限りの説得だった。