充電終わったらキスしよう





いやもう好きとかそういう次元越えてるよね38度越えの熱出してまで新学期過ごそうとするその熱意に盛大な拍手を、

送れるかバカ野郎。



「…春人クン。君はバカなの?死ぬの?」


スタスタと桜の木の下、もとい、春人の元へと足を進めたあたしは、開口一番にそう言ってやった。

開口一番ってなんかカッコよくね。

ごめんなんでもない。


「…………。」


そしてまた何も言わないデジャヴのような春人クン。

いつかの合格発表時と違って、今日は制服を着てるけど。

4月と言えどまだまだ肌寒いから、マフラーもきちんと巻いてるけど。

でもやっぱ、なんか、違う。

自分で言うのもおかしいけど、春人はあたしを見つけると絶対に『キョウちゃん先輩!』って呼ぶ。

だいたい呼ぶ。それはもう天使のような笑顔で呼ぶ。なんだそのたとえ。自分痛いぞ。

けれど現在、あたしの目の前に居る春人は、あたしを呼ばない。

呼ばないどころか笑いもしない。

口を開こうともしない。


昨日あたしが質問したせいで熱が上がってしまったことを根に持っているのかそうなのかそうなんだな全力で謝るごめん。