充電終わったらキスしよう





「……どうして…」


藍さんは、丸い瞳を見開いて、同じ言葉を繰り返す。

あたしは通常運転で答えた。


「どうして自分が充電されてるのか、ということでOKでしょうか。」


藍さんが状況を把握できた一番の理由。




自分が充電されているから。




「……あの」と藍さんは口を開く。

けれど喋ったのはそれだけで、それきり口をつぐんでしまった。

自分の膝に両手を置いて、肩を竦めるようにしてうつむく藍さん。

その尾てい骨の辺りから伸びる細いチューブのようなもの。

それは噴水の水を、吸い上げていた。


「……水で充電するアンドロイド、なんですね。」


あたしは組んだ脚の上に頬杖をついて、鳩を見ながらそう言う。

藍さんはもう諦めたのか、それとも話すべきだと思ってくれたのか、どちらかはわからないけど、小さな声で「……はい」と答えた。


いつぞやかにノアが話していた。


『…アンドロイドには種類があんの。太陽光で発電するヤツ、水で発電するヤツ、電池で動くヤツ、ネジで動くヤツ、いろいろ。』


あたしはたぶん、それを頭のどこかで覚えていた。

だから藍さんが気になったんだ、と思う。

いつも噴水の縁に座って居る藍さん。どうしていつも噴水の縁に座って居たのか。


水が必要だったからだ。