充電終わったらキスしよう





それから藍さんを支えたまま立ち上がる。

ぐったりしている藍さんに「歩けますか。」と尋ねると、力なくも首を縦に振ったので、あたしはそのまま公園へと向かった。

自分の肩に藍さんの腕を回して、ゆっくりと公園まで歩く。

噴水までの道のりがとても長いように感じた。




*****




あたしに寄り掛かるようにして目を閉じていた藍さんが、重たそうな瞼を持ち上げた。

特にすることがなかったあたしは、同じ鳩を延々と見つめて、どれくらい見失わずに居られるかという一人遊びをしていたのだが、藍さんのお目覚めで鳩を見失った。

ちくせう。

藍さんは何度か瞬きをすると、ハッとしたように頭を起こす。

辺りを見渡し、そうして最後に、こちらを向いた。


「……あ、京ちゃん……」

「どうもこんにちは。」

「あの、えーっと……?」


状況がまったく把握できないらしい藍さんは、どうやら理解力に乏しいようだ。

そうえいばこの間も状況が把握できないままニコニコしていた藍さんの記憶がある。

それでも今日は、すぐに状況を把握した。

どうしてか。

それはきっと、


「……どうして…」


自分が一番実感するからだろうと思う。