充電終わったらキスしよう





あたしは未来さんのプリントを反対側から見下ろして、詰んでる途中式を確認。

ふむ。


「ここ間違ってるから詰むんだと思う。」

「え、これ違うの?」

「うん。ってかこの方法使うよりこっちのが楽だぞ。」


未来さんのプリントの空いているスペースに違う式を書き込む。

あたしが式を全部書き終える前に、未来さんは「あーね!」と納得の声を上げた。


「それ使うんだーさすがキョウちゃんってばデキル子☆」

「そりゃどうも。」

「えーじゃあさ、こっちの問題もこれ使った方が楽かなあ」

「別に自分がやりやすい方でいんじゃね。」

「せっかく教えてもらっちゃったんだしぃ☆」

「まあ基本答えが合ってりゃいいわけだから式はどれ使ってもいいと思う。」

「それはそうだけどー」

「っていうかなんでお前はいつもいつもあたしに問題聞いてくるんだろうね。先生はどうしたんだろうね。」

「えーだってキョウちゃんのがわかりやすいもん」


先生ェ……。


「あと今日は特に聞けそうにないじゃん?」


未来さんは椅子の背もたれに頬杖をつき、教壇へと顔を向ける。

つられてあたしも教壇へ視線を投げた。

教卓に椅子を持って行って座っているスーさんは、文庫本読みながらなんか泣きそうだった。

泣ける本なんだろうなということは重々承知しているがその前に仕事しろ。