けれど寝ようとした直後に目の前の席にどっかと座る人影。
もうそろそろこの現象を説明しなくてもご理解いただけると思うのだが、
「ねえねえキョウちゃん」
未来さんである。
「なあに未来さん。藤原or萩原くんはどこに消えたのかしら。」
「えへ☆席変わってもらっちゃった☆」
いい加減藤原or萩原くんに同情するレベル。
いやそれ以前にまずみんなから藤原なのか萩原なのかはっきり覚えられてない時点ですでに同情通り越して涙目レベル。
「で本題なんだけどー」
「プリントは教えないから。」
「この冷血美人め!!」
「図星か。」
っていうかこの間から思ってるんだけど冷血美人ってなんだよ。
あたしはとっても暖かい心の持ち主な上に美人じゃねーよ。
未来さんは隠し持っていたらしいプリントをバシッとあたしの机に叩き置いて、とある問題を人差し指でどすどすと指し示す。
人差し指一本で効果音どすどすって言うんだぜ。コイツただモンじゃねぇ。
「ここ!ここだけわかんないの!いろいろ方法変えて解いてみたんだけど詰むの!」
「そうか。がんばれ。」
「教えろやキョウコテメェ」
「全力を尽くします。」
教えてもらう側が大変偉そうなのは毎度のことなのでもう気にしない。


