不運すぎる。スーさんマジで不運すぎるよ。
最初こそスーさんイジリで藍さん関係の質問とかしちゃってたけどこうなってくるとそんなこと言ってられなくなってきたよ。
教卓にめり込む勢いで落ち込んでいるスーさんの肩を、あたしは目頭を押さえながら叩く。
「……スーさんがんばれ超がんばれ。」
「おーよ……っちゅーか今思ったけどなんでお前が俺の相談役になっちょんのやろうな…普通逆だろ…全力で逆だろ……」
「えだってスーさんには他にご相談できるようなご友人がいらっしゃらないかと。」
「どんだけぼっちだよ俺は!!おるわ!!友達くらい!!」
「“友達くらい”っていうのはそのご友人にとても失礼じゃなくて?」
「なにキャラ!?それなにキャラなん!?」
「よかったですねそのご友人以上になりそうな藍さんと出会えて。」
「そ!…うやなあ……ってちょっと待て、お前は何故長谷川さんのことを名前で呼んでいる!?」
こういう時だけ鋭いスーさんってどうなの。
あたしは腕組みをして「うむ。」と。
「うむ。まあかくかくしかじかありまして。」
「そのかくかくしかじかを言え!!」
「えスーさんってば女子のヒミツの話を聞き出しちゃう系男子ですか。それはモテない。」
「くっそ…マジくっそ……朝倉との口喧嘩には勝てる気がしない……!!」
全体的にスーさんは口喧嘩負け組だと思うのだがどうだろうか。
あたしは教卓をバンバン叩いていらっしゃるスーさんに背を向けて、机に置いていた鞄を手に取る。
教室を出る間際、あたしは廊下の窓を見ながら口を開く。
「……そういえばあの雑貨屋さん、隣町にもあるそうですよ。」
「…………。は!?」
「未来さんが前に言ってたんで確実だと思われ。」
「それじゃ。」とだけ言い残してあたしは教室を出た。
またもや後ろの方から「朝倉がいいヤツすぎてツライ!!」とかいう声が聞こえてきたけどスルーしておいた。
今頃気づいたかふはははははは。
はあ。


