袋のテープを切った未来さんは、中からさっき選んでいた洋服を取り出して見せる。
「見て見てキョウちゃん!これ超よくない!?」
「そうだねとってもいいね。」
「棒読みすんじゃねーわよ!」
「失敬な。あたしはいつも感情のこもった素晴らしい受け答えをしてるじゃない。」
袋でぶん殴られかけたので避けた。
「いいわよもう。あーあー早くイケメン見つけて彼氏にして一緒に洋服とか選んでもらいたいなー」
「世の中には彼女を置き去りにして自分は休憩所で休憩している彼氏さんも居るようですよ。」
「なんですって!?信じられないわ!!」
「っていうかやっぱり恋人とかに選んでもらったものってうれしいんです?」
素朴な質問を投げかけたつもりが、未来さんに心底呆れた表情をされたのでキョウちゃん涙目。
未来さんはため息をついて洋服を袋に戻しながら「それもそうだけどー」と。
「選んでもらうのもいいけど、それよりもこう、その人が自分のために選んでくれるのがうれしいんじゃないの?」
「……ふーん。」
「その人が自分のために選んでくれて、それを買ってプレゼントしてくれて…もしそれが自分の好みじゃなくても、あたしは一生持ってると思う」
「そういうもんなのかね。」
「そういうもんなんじゃないのー」
「ってかキョウちゃんがそういうの聞いてくるって珍しいー」と言っている未来さんはスルーして、あたしはさっきの2人を思い出していた。
『これ可愛いのです!』と指輪を見ながら笑顔を浮かべていた藍さんに、スーさんはあれを買ってあげたのだろうか。
「これの方が似合いそうですよ!」とかしどろもどろに言いながら、選んであげたりして、買ってあげられただろうか。
でも藍さんならきっと、未来さんとおんなじ意見なんだろうな。


