充電終わったらキスしよう





新学期早々、休む運命になってしまった我が後輩を想いながら、あたしは校門をくぐる。

今日は未来さんに捕まらなかったから有意義な朝である。

ただ音楽聴きながら登校してるだけだけど。

この間奮発して購入した、値段に“0”の多いヘッドホンを装着し、ロックを流す。

有意義だ。

とてつもなく爽やかだ。

朝っぱらから「やあリア充。今日は爆発しないのかい?」とか言うフリー協定在住ミライ(仮名)が居ないのはとてもとても至福な時間だ。

まあそれは言い過ぎだけど。

でも早朝からあーだこーだとツッコミどころ満載な会話をするよりはいい。

それは確実だ。

っていうかアイツはいつまであたしをリア充だと言い張るつもりなんだろうか。


あーけど今はそんなことどうでもいい。

このヘッドホン低音響くなあドラム気持ちよすぎじゃないかこれサイコーじゃねぇの。

やっぱ高いのは違う。

値段に“0”が多いだけモノも違う。


っつーかさっきからあたし脳内で喋りすぎじゃねぇの寂しいヤツみたいじゃん実際ひとりだけど。

いや別に未来が居ないとちょっと寂しいなとか今日は春人来ないんだよね静かだな静かすぎるよなとか全然思ってないからホント。


とか思ってた矢先に見てはいけないものを見てしまった気がするんだが気のせいか。