純粋に気になっただけだろう藍さんのその質問に、あたしは鳩を目で追いかけたまま答える。
「藍さんがどうしてあのスーさんと仲良くなってしまったのか気になりまして。」
「えぇ!?」
なんかどこぞの後輩みたいな反応された。
こういうふわふわタイプの人ってみんなこんな反応をするんだろうか。
藍さんはまたもや文庫本へと視線を落とす。
「え、えっとですね…わたしはその……いつもここで、こうしているものですから…」
「ふむ。」
「それで、えっと…初めて会ったその日からたびたび、鈴木さんが会いに来てくださるので、それで……」
日本語が怪しいのはさておき。
膝の上に置いてある文庫本を両手できゅっと握る藍さんは、何度も噛みながら話を続ける。
「仲良くなったというか、わたしが仲良くさせていただいているといいますか…」
「はあ。」
「わたしは…本の中でしか会話をしたことがなかったので、いつもここで、次第に鈴木さんが来てくださるのを、楽しみにしていまして……」
「……そうですか。」
「はい」と言って、藍さんは微笑んだ。
昨日見た限りでは、スーさんは藍さんの前だとかなりのヘタレっぷりを発揮していると思われる。
会話もしどろもどろな上に、何故か敬語で標準語だ。いつもの意味わからん方言はどこ行ったって感じだし。
それでも藍さんは、スーさんと話すのが楽しみだと言う。
この意味が、残念ながら今のあたしにはよく、わからなかったのだが。


