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翌日、補習をサボ……ちょっと休むことにして、あたしが向かったのは例の公園。
今日も今日とて真夏日で、公園とかホントだったら行く気にならないんだけど、本日は用事があるので致し方あるまい。
公園を歩き回る鳩を見下ろしつつ噴水まで向かう。
セミの鳴き声があちこちで聞こえる中、噴水の縁に腰掛けた見覚えのある姿を発見した。
「こんにちは。」
歩み寄り、声をかける。
文庫本を読んでいたその人、長谷川さんは、あたしの声に顔を上げた。
一度だけ瞬きをしてから、「あぁ!」と嬉しそうな声と共に笑う。
「貴方は昨日の…!」
「朝倉です。朝倉京です。」
「京ちゃん…!素敵なお名前です!」
京ちゃん呼びがお久しぶりすぎて感動の涙が。おっと視界がセルフエコノミー。
あたしが瞼を押さえて感動に浸っていると、長谷川さんは少し横にずって、空いた場所を手で軽く叩いた。
「お隣、どうぞ座ってください」
「あ、すんません。」
「わあ〜…また京ちゃんに会えるとは思いませんでした!あ、勝手にお名前でお呼びしてしまって…!」
「どうぞどうぞ。(むしろ大歓迎です)」
「あ…では、京ちゃんも、わたしのことは名前で呼んでください!」
あれ、そういえばスーさんはまだ苗字呼びじゃなかったか。
会って2日目でスーさんレベル超えちゃったんだけどいいのか。いいのかあたし。


