しかしその気持ち、あたしにはわからん。
「それでは、わたしはこの辺で……あ、朝倉さん…でしたよね、ここまで連れてきていただいて、本当にありがとうございました!」
「いいえとんでも。気を付けて帰ってくださいね。」
「ありがとうございます。朝倉さんも補習がんばってください!」
「善処します。」
思わずそう答えたら、長谷川さんはくすくすと笑った。
よく笑う人だなあと思った。
それから去って行く長谷川さんを見送った後、あたしは遅ればせながら、補習へと向かった。
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「大人になってまで物を貸し合って親睦深めるんですね。」
「…………」
「CD貸すってどういう次元なんです。」
「…………」
「いやまあ悪いとか良いとかあたしにはわかりませんけどね。」
「…………」
「でもイマドキたぶん小学生の方が進んでますよね。」
「……朝倉…なんかいろいろ刺さりすぎるからその辺にしてくれ…」
補習が終了したあとの教室で、スーさんは教卓に倒れ込んでいた。
今日は未来さんがこの後用事があるとか言うので一緒には帰らず、帰っても暇なのであたしは教室に残って余ってるプリントやってたり。
クラスメイトがみんな帰って行ったあと、言わずもがな、あたしはスーさんに質問を開始した。


