まあ別にあたしは他人の人間関係にほとんど興味はないんだけども。
今自分で“他人の”ってつけてちょっと違和感あった。自分の人間関係も特に気にしたことなかったわ。
とにかくさほどスーさんの彼女とかに興味はないわけなんだがしかし、今までずっと女性の影、もう女友達すら居ないんじゃないかというレベルの非リア充だと思っていたスーさんに突然女性の影が現れてあたしも少しばかり驚愕しているのだ。
なので意図せず問いただしてしまうのはしょうがないことだと思ってほしい。あたしは意図せず問いただしているのです。
大事なことなので2回言いました。
しかもこの長谷川藍さん、あたしから見ても可愛いと思う。
色白だし童顔だし目が大きくて丸いし、ゆるふわパーマのボブがとてもよくお似合いなのだ。
服装もゆるふわな上に性格もふわふわしているようなので、そろそろどこかにふわふわ飛んでいきそうである。
「……こんなに可愛い女性がスーさんの彼女なわけがない。」
「どういう意味だ!!」
「えスーさんが自分で言ったんじゃないですか。彼女じゃないって。」
「言ったけど!!言ったけどお前の一言は余計だよ!!」
「といいますか、長谷川さんは何かスーさんに御用があったのでは。」
スーさんのセリフはひとまずガン無視して、あたしは状況がわからないからもういいやという風に超笑顔を浮かべている長谷川さんへと顔を向ける。
あたしの言葉に長谷川さんは「そうでした!」と今の今まで目的を忘れていた様子で(というか完全に忘れていたに違いない)手を合わせた。
「わたし鈴木さんに御用があったのです!」
「え、な、なんですか…?」
噛んだ上に敬語だよスーさん。果てしなくヘタレだよスーさん。見てるこっちが情けなくなってくるよスーさん。生徒に情けないと思われる先生ってどうなんすかスーさん。


