充電終わったらキスしよう





なんかよくわかんないけどデッカイバイクがガレージからやってきたので再び卒倒するかと思った。

うちにこんなバイクが隠されていたのかと。

泉は運転席に座ったまま、あたしにヘルメットを投げてよこす。

それから後ろを指さした。


「はい乗ってー」

「…………。これは死亡フラグか。」

「さすがに妹後ろに乗せて事故る運転はしないっつーのー」

「こんなデカイバイク乗ったことないから怖いんですけど。」

「えーなに、乗れないってー?しょうがないよねーお兄ちゃんが抱えて乗せてあげますかー」

「いろいろとちげーよ。」


バイクの音がうるさいし、このまま停まってても近所迷惑なだけだから、致し方あるまいとあたしはヘルメットを頭に装備。

ミヤコは防御力が10上がった!(どこぞのゲーム風に)


…茶番はいいから、さっさと乗れ自分。

バイクの後ろに手をついて、ジャンプしてから座席をまたいでそのまま着座。

バイクの後ろに乗れないほどあたしは背が低いわけではない。だってそろそろ160だぜ……哀愁すら漂うわ……。

いい加減身長伸びるの止まってくれないかしらと切実に願いながら、泉の服を掴む。

泉はチラッとあたしが乗ったことを確認すると、バイクを唸らせて発進した。


風を切る。

景色が後ろへと流れて行く。

夕暮れが徐々に過ぎ、群青に染まって行く空の色。

次第に人工の明かりだけになっていく街の景色が、視界の端から端へと過ぎて行く。


不意に思い出した。

もうずいぶん、昔になる記憶。

そういえばあたしは、6年くらい前にも、こうして泉の運転する自転車の後ろに乗って、街をひた走っていた。