あたしは春人の額に乗せていた手を、今度はその髪の毛をわしゃわしゃと乱すように動かした。
わしゃわしゃすると、春人は小さく頭を振った。
うん。犬です。
シュンとした犬。
まったくもう。
「ホント、なに考えすぎてんだか」
「…………?」
「そんなにムリしなくても、あんたなら大丈夫」
「……大丈夫、ですか…?」
「うん。お世辞言わないあたしが言うんだから間違いないと思え。」
「あとあたしも居るでしょ」と柄にもなく付け加えてみたら、春人は辛そうにしながらもうなずいて笑った。
春人は大丈夫って、根拠もなく言ってるわけじゃない。
中学の時、春人が休むたびに心配しているクラスメイトは何人も居た。
あたしが一番仲良いからって、あたしに春人の様子を聞きに来る子も居た。
だいたい春人には嫌味なところがまったくないから、心配しなくても友達はいくらでもできるのだ。
でもまあ、そりゃみんなに好かれるっていうのは人それぞれあるから、難しいのかもしんないけど。
少なくとも、あたしは嫌いにならないよ。
って何言っちゃってんの自分マジ埋まればいいのに。


