ホントに洗濯物が干せてるのかちょっと不安で庭に向かう。
今までじゃありえない光景が視界に飛び込んできて少々めまいがしそうとかそんな。
「……ミヤコさー」
「…………。」
「ピカチ○ウー?それともドラ○エー?」
「……は?」
「なんかさっきからさー俺のあとばっかついてくるじゃーん。なになにー実はお兄ちゃんのことが大好きでしょうがないんだーそっかそっかー」
後頭部狙って踵落とし喰らわせたらあっさりかわされる始末。
鳥肌しか出ない。今なら鳥になって空も飛べる気がする。
あの泉が庭で洗濯物干してるその光景を目の当たりにした時点であたしは卒倒しかけていたというのに。
信じられない。
もうこれは夢としか思えない。悪い意味で。
食器拭くのを手伝ったり食器片付けたり洗濯機回せたり玄関綺麗にしたり洗濯物干したり……信じられるか…これ全部…泉がやってるんだぜ……。
いやだから信じられねぇっつってんだろ。
という具合に、現在あたしの脳内は大混乱中でございます。
「……なに、泉。お前は、アレか。イクメンを目指しているのか。」
「えー別にイクメンになる気はないけどー。どっちかっていうとさー家事できる女の子がいいかなー」
「いやお前の好みとか聞いてねぇから。」
「っていうかミヤコさー掃除機でもかけたらどうなのーみたいなー」
いちいち喋り方が鬱陶しいなコイツと思いながらも、あたしは掃除機をかけるために回れ右をする。


