「…洗濯物も干せるのかお前は…!」
「だからさー家事は一通りできるようになってるんですってー」
「うううそだろ…お前ホントに泉か泉なのか…」
あまりに信じられなかったので思わず噛んでしまったら、泉は「はあ〜」と盛大なため息をついた。
「さっきからミヤコうるさいわー俺もう18歳じゃないんですけどー?」
18歳。
高校を卒業して家を出て行った時の泉の年齢だった。
あたしはなんかそれにカチンときた。
カチンときたので持っていたマットをぶん投げてやった。
いつも通り避けられたわけだが。
「知ってるっつーの!お前が永遠に18歳だったらあたしの方が困るんだよ!」
「はいはい怒らない怒らないー高血圧でぽっくり逝っちゃうよー?」
「あたしはまだ16だクソ兄貴。お前こそぽっくり逝きやがれ。」
「残念ながら俺もまだ24でしたー」
この兄貴洗濯機にぶち込んで永遠に回しといてやりたい。
洗濯籠を持ってランドリーを出て行った泉に内心で地団駄を踏みながら、あたしはマットを拾い上げて洗濯機にこれでもかという勢いでぶち込む。
ついでに全部のマットというマットも一緒に洗ってやろうかと思ったけど、全部入れるとさすがに洗いきらないかなと思ったのでやめておいた。
洗濯機のスイッチを押してランドリーを出る。
掃除機をかけようと思ったけど、その前に。


