そんな勢いでコイツは家事を手伝わない。

なのに今日は…手伝っている…だと……!?

バカなッ……!


おっと持病の厨二病が。


「ミーヤコーこの皿どこー?」

「……え、あー…その棚の一番下…」

「はいよー」


しかも拭いた食器片付けてくれてるとか…なんだ…どういう風の吹き回しだ…。

唖然とした様子がまさか出ていたわけではないだろうが、泉は出しっ放しになっていた水を止めて、ため息混じりにあたしを見下ろす。


「あのさーミヤコー。言っとくけど俺今まで独り暮らしだったからー家事くらいやってましたー」

「……という夢を見たんだな。」

「家事をやったらわかるわけよー大変さがさー。だから手伝いくらいするっつーのねー」


呆れた顔をしてそう言ってから、泉はあたしに背を向けリビングを出た。

知らなかった。知らなかったぞ泉。

お前も成長するんだな…。(※ミヤコは妹です。姉じゃないです、妹です)

いやちょっと感動したとか別にそんなことないから。


あたしはいまだ泡のついていた手を急いで洗って、泉の後を追ってリビングを出る。

向かった先はランドリールーム。

つまり洗濯機が置いてある場所だ。