髪の毛を上に束ねて(つまりポニーテールのこと)キッチンに立つ。

山積みになった茶碗とかを見るとげんなりするけど他にする人が居ないので致し方あるまい。

ため息をついてスポンジを手に持ち、皿洗いを始めると泉がリビングへと入ってきた。

カウンター越しにこちらを嫌味な表情で見下ろしてくるので全力で水をぶっかけたい次第である。

後片付けが面倒なのでしないけど。


「……そんなところに突っ立ってないでお前もなんかしろ。邪魔だ。」

「えーじゃあ寝ようかなー」

「わけがわからないよ。」

「だってねミヤコー俺昨日夜中まで仕事だったわけよー今日とかもうちょい寝るつもりだったんだけどさー」

「そうか。よかったな。で?」

「はあー…これだからうちの妹はさあー…もうちょっとお兄様を労わってくれてもいいと思うんだよねー」

「お前労わってたら全世界の生き物すべてに申し訳ないから。」

「うわひっどーミヤコひっどー」


「なんでこんな妹に育っちゃったんだろうねー」とか心底悲しそうな表情を浮かべて言ってるけどお前のせいだから。確実にお前のせいだから。

そんなクソ兄貴さんはわざとらしく肩を竦めて見せて、カウンターから離れてキッチンへとやってくる。

まだ何か邪魔するつもりなら回し蹴りでも喰らわせてやろうかと思ったのだがしかし。


「……キサマ何をしている。」

「んー?なにってーお皿拭いてるだけですけどー」


ガチで食器を拭き始めたので回し蹴りどころじゃなくなった。

なんだコイツはホントに泉か泉なのか。もしそうなら明日世界滅亡だろ。でなければ銀河系滅亡だろ。