もぞもぞと毛布の中でうごめいていた春人が、ぷはっと毛布の海から顔を出す。
それからまたごそごそと、口元まで毛布を引き上げた。
重たそうな瞼を一度瞬きさせてから、熱にうかされた瞳をあたしに向ける。
あたしはその目にかかる少し湿った前髪を払ってやって、そのまま額に手を乗せた。
まだまだ熱い。
「……せんぱい…?」
「春人、今日ホントは熱あって、でもムリして学校来たんじゃないの」
「…………」
「あったんだ」
「……37度、ちょっと…」
「あんたバカじゃないの」
人一倍、体弱いクセに。
なにムリしてんの。
そんなあたしの心情が伝わったのか、春人はもぞっと鼻先まで毛布を被った。
その中でもごもごと言う。
「…だって、最初って、大事じゃないですか…」
「…………」
「……俺、中学の時も休んでばっかで、友達あんまりできなかったし…」
「……うん」
「…だから、その、高校はもっと楽しみたいって、思って……」
どんどん視線が下がっていき、同時に声量も落ちていく、ネガティブ絶賛爆走中な春人クン。
ほんとう困った後輩だよ。


