充電終わったらキスしよう





双眼鏡を片手にズイズイ詰め寄ってくる未来を押し返しながら、あたしは適切かつ素早い解答で質問攻めを回避する。

いやホント双眼鏡片手に受験生、仮にも後輩になる生徒たちを観察して騒いでる人に女子高生云々言われたくはない。

そんな女子高生(JK)居ない。

彼氏居ない歴=年齢な女子高生が居るとしても双眼鏡(以下略)な女子高生居ない。

…まあ、現在目の前に数名居りますが。


「…いいこと?キョウちゃん」


その目の前に居るありえない系女子高生・未来さんは、諭すようにあたしの肩を両手で掴んだ。

なんかすごいムカつくよこの人。


「今の時代、離婚とか少子化とか、そういう問題がたっくさんあるのよ?」

「……ソウネ。」

「だからね?早いうちに素敵な人を見つけておいて、そして確保して、潤いのあるこれからを目指していかなきゃならないのよ!!」

「なんとなくそれっぽいこと言ってるけどようするに彼氏欲しいって話だよね」

「そうね、その通りよ」

「未来さん、一回埋まってこようか」

「断る。」


一瞬、地団駄を踏むまたは拳で窓枠殴るかどっちかしてしまいそうになったけど耐えた。

っていうかそんなことしても未来には意味ないってわかってるし。

ね、ほら、今だって、今の今まであたしと言い合い(と言う名のコント)してたくせに、すでに双眼鏡を両目にきっちり当てて眼下見下ろしてるし。