部屋のドアが開いた。
それはもう壊れる勢いで開いた。
…やっと来たか。
落ち着き払っているあたしとは対照的に、何が起こったのかまったくわかっていない春人はビクゥッ!と飛び上がってドアの方へと顔を向けた。
その見開かれた瞳に映っただろう。
気恥ずかしそうに顔をしかめて、自分を見下ろしているノアの姿が。
「……の、ノア!?」
案の定と言うべきか。
突然悩みの元凶が登場して、あたふたとどうしていいかわからないでいる春人。
あたしはあぐらをかいた上に頬杖をつき、そんな春人に告げる。
「えーっと、実はさっきうちに来たのはノアだったんだよ。」
「えぇ!?」
「お互いいろいろとすれ違ってる感満載だったから、この際春人の気持ちを教えてやった方がいいだろうと思って、ノアにはドアの前で待機してもらってました。」
という“いい案”でした、まる。
春人は混乱状態におちいっている。(どこぞのゲーム風に)
「え!?えぇ!?じ、じゃあ今俺が言ってたこと全部ノア聴いてたの!?」
あわあわしながらもなんとかノアを見上げてそう尋ねた春人に、ノアはドアノブを握ったまま「……うん。」と答えた。
春人は未だ混乱状態だ。(どこぞのゲーム風に)


