充電終わったらキスしよう





うちは最近よく逃げ場として使われるけどことごとくバレる星の下にあるらしい。

弥生さんもうちに来たからね。未来さん探して。

みんな、うちには逃げて来ない方が身のためだ。バレるのがオチだ。


「……まあ、居るけど。」

「わかった。」


あたしの返事を聴くや否や、さっさと家の中へ入って行こうとするノアを寸前で止めた。


「ちょっと待て。お前は何をしようとしてらっしゃる。」

「何って、ハルを連れて帰ろうと思って。」

「喧嘩したんじゃなかったの。」

「したよ。でも俺は別に怒ってないし。」

「でも春人は怒ってたでしょーが。」

「怒る理由がわかんない。」


コイツ等すこぶるめんどくせぇ。

お前等の喧嘩の仲介をするためにあたしは今日睡眠を削ってまで炎天下を歩き回ったわけじゃねーんだよっていう。

いちいち説明をするのがめんどくさくなったあたしは、ここでいい案を思いつく。

そうだそうしよう。

それが一番手っ取り早い。


「……わかった。お前が春人を連れて帰ることは許そう。」

「ミャーコ、それどこかの誘拐犯みたい。」

「黙らっしゃい。」

「じゃ、連れて帰るから。母さん心配してるし。」

「あたしの話を最後まで聞け。」


相変わらず無表情(の中にめんどくさそうな色が混じっているが気にしない)でほんの少しあたしを見下ろすノアに、あたしは話を始めた。